あけましておめでとうございます。今年も宜しくお願いいたします。

激動の 2020 年が終わり、新しい年を迎えました。2018 年 4 月に香川県からの在宅勤務に移行していた私は、同じ職場の中でも新型コロナウイルス感染症の拡大による影響が比較的小さかった一人であると思われます。

誰もが在宅勤務を行うようになった結果、働きやすくなった面も有りました。たとえば、自分だけが遠隔地から参加する会議なのに、他の参加者がビデオ会議に参加していない、という状況は無くなりました。また、より多くの業務連絡がチャットや電子メール、各種文書へのコメントで行われるようになり、他の人が何にどのように取り組んでいるかが自分からよく見えるようになりました。このような良い変化は、感染症の懸念が解消したとしても、ハイブリッド ワークプレイスの取り組みとして、継続されてほしいと願っています。

それでも、月に一度半ば旅行のような気分で同僚に会いに行く出社が、昨年 1 月以降ぱたりと途絶えてしまったのは大変残念なことです。いつもなら出社のついでに受け渡しをしていた書類や業務端末も、郵送による必要最小限の交換に留めざるを得なくなりました。一つ一つの影響は地味ですが、心理的な影響は恐らく私が自覚しているよりも大きいでしょう。

そんな中、新しいタッチ キーボードの実装に携われたのは良い経験でした。一昨年の夏にデータ分析業務からソフトウェア開発業務に職務が変わった自分には、これまでソフトウェア開発に専心してきた同じ肩書を持つ同僚と、果たして肩を並べることができるだろうか、という不安が有りました。今回、C++ や XAML をはじめとする様々な技術に触れ続けた結果、(実際のところどうなのかは別として)その不安が少し和らいできたように思います。コードを書くのはやっぱり楽しい、と実感できた一年でした。

楽しさには危険が付きものです。楽しいが故に、自分の中で決めていた時間を過ぎても、「あと少し」と働き過ぎてしまうこともしばしば。仔細に拘り過ぎて時間を浪費してしまうことも有ったように思います。何もかも自分でやろうとせず、他の人ともっと協力すれば、問題をより早く、より本質的に解決することができたかもしれません。この危険な楽しさが招く視野狭窄と上手く付き合う術を見つけられるか、が課題の一つです。

今年は丑年ですが、乳牛の視野は他の草食動物の例に漏れず広く、310 度も有るそうです。人間の物理的な視野を広げることには限界が有りますが、せめて頭の中では広い視野を持ち、大らかな気持ちで行動できる一年になりますように。