2019 年 8 月 31 日に開催された「Agile Japan 2019 サテライト 香川」に参加してきました。スタッフをされていた Tomohiro Kobayashi さんからの紹介がきっかけです。今回のテーマは「壁を跳び越えろ!」ということで、自分が正しいと思ってやっているソフトウェア開発にも実はまだまだ見えない壁が有るのではないか、有るとしたらそれはどういうもので、どうやって跳び越えれば良いのか、知見を得られることを期待していました。

とは言え、アジャイルに関する勉強会に参加したのは今回が初めて。周りはアジャイルバリバリな常連ばかり、と思い込んで少し物怖じしていました。同じ卓についた 3 人の参加者に尋ねたところ、皆初参加とのこと。少し安堵したところで会が始まりました。

まずは基調講演の録画視聴です。LOVOT そのものはニュースで見聞きしていましたが、その技術的な詳細や開発手法についても知ることができました。アジャイルがウォーターフォールより良い・悪い、という話ではなく、全く先が見通せない状況ではアジャイル開発が唯一の方法だった、という話が印象的でした。ソフトウェアの使われ方や使われる状況が日々刻々と変化する現在においては、先がしっかり見通せて正確に見積りができることの方がますます稀になっていくでしょう。また、ウォーターフォールに慣れている出資者への説明にあたっては、プロダクト オーナーがアジャイルからウォーターフォールへ変換して説明する責任が有る、という話が非常に現実的で面白く感じました。

昼食後は、株式会社ミトラさんによるスポンサー セッション(香川のソフトウェア会社が地域・日本・世界に貢献しているのは頼もしい限りです)と振り返りを挟み、「『壁を越える』ために知っておきたいこと」という講演でした。壁を越えた先、壁が無かったとしたらどうなっているかということを考えていますか、という問い掛けに、はっとさせられました。何か問題にぶち当たってしまったとき、どうしても目の前の問題を取り除くことばかりに集中してしまいがちです。ただ、その先が見えていないと、越えなければならない理由や様々な越え方が有ることを見落としてしまいます。自分は特にそういう傾向が強いので、注意が必要です。

アジャイル開発の時代」では、アジャイルの源流が最強だった日本の製造業に有ることを知りました。アジャイル宣言やアジャイルな開発のべき論は、字面だけ追うと「何だ、当たり前のことを言っているだけじゃないか」と思ってしまいます。それが、良い例と駄目な例を同時に挙げることによって、「あ、意外と駄目な考え方に落ちてしまっている場合って有りそうだよね」と思えてくるのは意外でした。自分も駄目な例に落ちてしまっていないか、時々立ち止まって考えるのが良さそうです。因みに、マイクロソフトの日本支社も概ね米国本社と似たような机の配置をしていますが、書類棚によるもう少し細かい仕切りが有っても良いかな、と思いました。

ワークショップの Fairless Journey では、カード ゲームを通して、業務で発生する様々な壁をどうやって跳び越えていくかを他の参加者の方々と一緒に考えていきました。ある問題に対して漠然と「解決策を考えてみましょう」と言っても、最大公約数的な実効性の薄い解決策で手を打ってしまいがちです。ところが Fairless Journey では手持ちのパターンを組み合わせて解決することになります。この制約によって、却って自分が思ってもみなかった解決策が出てくるのは、とても面白い気付きでした。これらのパターンを自分の手札として頭の中に持っておくと、まだ見ぬ問題が出てきたときにも役に立ちそうです。

LT では、私と同じようにリモート ワークをしている人、おやつ神社を運営している人、学校でアジャイル開発を実践している人などの話が有り、それぞれに面白さを感じました。 // Jetstar も良いですが、サンライズ瀬戸も高松ならではの移動手段としてお勧めです。

興味深い本の紹介も有り、自分の知識を広げる良いきっかけとなる、楽しく有意義な一日となりました。登壇者ならびに運営の方々、ありがとうございました。